3-3 大人のレジリエンスを高める方法 ~育児と発達心理~


3章 レジリエンス (特別コラム) 大人のレジリエンスを高める方法 ~育児と発達心理~

子供のレジリエンスを高めるために一番大事なのは子供に精神的にもっとも大きい影響を及ぼしている養育者のレジリエンスを高めることです。養育者の言動を見て子供は自然とそれを真似るようになるからです。それでは、大人のレジリエンスを高める方法を3つ簡単に紹介したいと思います。

1.規則正しい運動でストレスを溜め込まないようにしましょう。

週に3回以上、一回30分以上の運動が効果的だと言われています。一度に過度な運動はむしろ害となります。ハーバード大学の精神科の医師であるジョンラティー先生は運動は集中力を高め、衝動性を低くするので、うつ病の治療剤を摂取するのと同じくらいの効果があると報告しました。米国国立精神保健協会の研究結果によると、ストレス減少、セルフエスティームの上昇、対人関係向上にも大きな影響を及ぼしたと発表されました。運動をすることは身体の健康だけではなく、精神的な健康にも肯定的な影響を及ぼすというのは様々な研究結果で証明されています。

2.感謝の気持ちを日々記録しましょう。

毎日寝る前に子供と感謝の話し会をした後、簡単に感謝の日記を書くことも良いでしょう。感謝する事について最小限5つ、なるべく具体的に書きましょう。頭の中で浮かばせるだけでは足りません。必ず、紙に記録した後、寝室に入るようにしましょう。睡眠中に記憶力が固定されるので、寝る前に感謝する事を記録することは脳に肯定的な作業を習慣化させるのに役に立ちます。

3.肯定的なマインドを持つようにしましょう。

実は肯定的な情緒を認識する前に私たちは笑顔になる事を知っていますか?
つまり、肯定的な感情は自分の表情の変化を脳が認識した後に感じると言われているのです。ですので、簡単に肯定的な感情になると言われている方法を一つ紹介したいと思います。
ボールペンを横にして歯で噛みます。その時に、注意すべきことは唇がペンに触れてはいけません。ペンを歯だけを使って支える時の表情は自然と笑う時の筋肉を使う事になります。この筋肉の使用で脳が錯覚を起こし、肯定的な気持ちになると言われています。

2020年7月9日 GLE 発達心理学担当 吉田瑞希


About 吉田瑞稀

聖心女子大学(卒) 人間関係学専攻 UCL University of London大学院(卒) MSc in Psychoanalytic Developmental Psychology (修士:精神分析的な発達心理学専攻) 淑明女子大学院 児童心理治療専攻(博士課程終了) プレイセラピスト