ご飯をむしゃむしゃ食べている我が子を見ているだけで、親は嬉しさでお腹がいっぱいになるものです。半面、子供に少食や偏食がありましたら、とてつもなく心配になるのも親です。
子供がご飯を拒む理由は医学的には、胃が弱い、消化不良などの理由があげられると思われますが、ここでは、食習慣が原因で少食や偏食をする子供が向けの方法を紹介したいと思います。(子供の身長や体重が平均より大きく下回っていれば、かかりづけの小児科に来院することをお勧め致します。)
① 一日三食とも規則正しく同じ時間に食べさせる。
朝、昼、晩同じ時間に食事をすることは胃の健康にも良いですし、特に朝ご飯は子供の脳の発達のためにも、とても大事です。食事の間の間食も控えた方が良いです。よく食べる子の場合、一日取るべきカロリーを取るためにも昼食後、栄養たっぷりの手作りおやつを作ってあげるのが一番望ましいと思いますが、少食の子供にはむしろ間食を上げないでください。ご飯は決まった時間に食べる、そしてその時間に十分に食べなくては、次の食事の時間までお腹が空いて辛い思いをするというのを経験上、分からせるようにします。良く偏食が酷くて、ご飯をあまり食べないからと言って子供にヨーグルトなどの間食を頻繁に与えるお母さんがいますが、長い目でみればかえって逆効果です。子供に今食べなかったら間食が食べられると教えているのと同じです。子供が正しい食習慣を身につけるためにも、食事の時間を大人が大事にしましょう。規則正しい食事と最小限の間食を守りましょう。
② 食事の時間はなるべくテレビは見ないで家族で会話をしながら食べる。
食事の時間はただご飯を口にするだけの時間ではありません。家族との会話があり、時には悩みを打ち明けるチャンスでもあるのです。子供は思春期に入り、精神的にも自立し、口数も少なくなるでしょう。しかし、小さい時から食事は家族団欒、会話をしながら食べるという習慣がついてますと、1日に子供とほぼ話してないなんて家はなくなると思われます。だからといってなんでも話せば良いというわけではありません。なるべく楽しい話をしましょう。笑いながら食べると栄養の吸収もよくなるという論文もあります。食事は楽しく話しながら食べるという肯定的なイメージを子供に伝えましょう。だからと言って、テレビを見ながら食べるのは良くないです。テレビを見ながらですと、料理の味を感じることも鈍くなり、夢中になって食べるのを忘れてしまう可能性もあり逆効果です。子供を追いかけながら食べさせるのもやめましょう。時間を決めてきっぱり片付け、次の食事まで間食もなにも与えないようにしましょう。もし、子供がとてもお腹がすいて辛そうでしたらいつもなら6時のご飯を5時にするなど少し早めるのは構いません。ですが、決して子供がお腹空いて愚図るからと言って、途中で食事を与えてしまったり、間食を与えることはしないでください。次の食事の時、また食べることで子供と戦う事になり兼ねます。時間内に食べないと片付け、次の食事まで待たせるなどの食事に対する断固とした態度を大人が見せ続けますと、子供も食事の時間を大事にするようになります。
③ 野菜と仲良くなれるように様々な手段を使う。
人は慣れたものを好む習慣があります。アレルギーもないのに子供が野菜嫌いであることは、きっと野菜(味も含め)について慣れてないのが原因の一つと思われます。親は野菜と子供の間の仲人になってください。野菜の良いところを子供に仲介すると思ってみてください。お見合いの時、まず相手の家柄や学歴などを紹介しますよね。それと同じようにまず野菜を紹介するのです。例えば仲介すべき野菜がニンジンでしたら、ニンジンがどこから収穫できるか、土の中から収穫でき、可愛いうさぎちゃんや馬ちゃんの大好物であることを伝えます。実際ニンジンを植え、育てたり、一緒にニンジンを使った料理を作りながらニンジンの匂い、感覚にまずなれるのも良い方法です。ニンジンが出てくる楽しそうな本がありましたら読んであげるのもお勧めです。子供がニンジンと浮かべあげた時、できるだけ肯定的なイメージを一緒に浮かべるように手伝いましょう。お見合い前後に決して結婚しなさいと言わないのと同じように子供に食べなさいとは言わないでください。好きな人にアピールする時を思い出してみてください。おしゃれをしたり、香水をつけたり、普段と少し違うしゃべり方になったりしてたはずです。子供に好かれるように野菜にもおしゃれをさせ、魅力的に変身させてあげてください。つまり、野菜を小さく切って、形が分からないようにする、子供が好きな食べ物と混ぜてアンパンマンの形におにぎりしてしまうなども良い方法です。嫌いな物がすぐ好きになったりはしません。好きな人に振り向いてもらうためにすぐ告白したりしませんよね。それと同じだと思ってください。長い目で根気良く、めげずに野菜の魅力をアピールしてください。